認知症の患者数が増える中、私たちは認知症について正しく理解できているでしょうか。
認知症を発症していたり、認知症らしき症状が出始めた本人に対して、家族はどのように対応したらよいのか。それを知らずに、不適切な接し方、対処・対応方法をとってしまうと、お互いに不幸になります。
問題をこじらせる前に、認知症に対する正しい理解をめざしましょう。
スポンサーリンク
認知症の接し方・対応方法・対処法
無理に訂正しない
事実と異なることを言っても、こだわりが強くなければ「そうかしら、○○じゃないかしら」程度の対応でよいでしょう。あまりこだわらずにその話題に触れないようにしましょう。
事実と異なることを信じ込んでいる場合も、記憶の穴を埋めるために作り出された話は上記と同様の対応でよいでしょう。
物盗られ妄想、罪を感じる妄想や幻覚の場合は、訂正は難しいですが、事実を穏やかに伝えるようにしましょう。
行動上の問題が生じたら、薬が有効なので、お医者さんに相談しましょう。
プライドを傷つけない
症状が出てきてもプライドは保たれています。子ども返りのような行動をとっても、子どもに対するような言葉や態度はとらないようにしましょう。
頭ごなしに否定したり、失敗を嘲笑したりしないようにしましょう。反感して行動に出ることがあります。
プライドを傷つけられた印象は残ります。後々、抵抗や拒否として現れてくることがあります。
叱らない
失敗に対して叱っても効果的ではありません。反発を招いたりプライドを傷つけたりしてしまいます。ゆっくりやさしく対応することが大切です。
逆に、うまくできたときに上手にほめるように心がけるとよいでしょう。
感情的になって叱ってしまうこともあるでしょうが、後で謝っておきましょう。
謙虚になる
自分の経験から生じる思い込みで対応しないように注意する必要があります。経験のないことに対して、気持ちを推測することは困難です。
戦中戦後を生き抜き、豊かな時代を築いてくれたことなどに対して大いに感謝し、謙虚に接するように心がけましょう。
自主性を尊重する
こちらのペースでことを進めようとして、あわてさせないようにしましょう。本人のペースに合わせるように気をつけましょう。時間がかかるのは覚悟しておかなければなりません。
環境に変化があった場合には、その変化に対応するのには、さらに時間がかかります。忍耐強く対応しましょう。
認知症の症状と対応
ここでは認知症の様々な症状のうち一部を取り上げて、その対応を示します。
トイレが間に合わないときがある
恥の感情や自尊心を傷つけないように、さり気なく始末をしましょう。
スポンサーリンク
よく観察して尿意や便意のサインを見つけ、声をかけるようにしましょう。
一定期間、トイレに行く時間を記録してみて、サイクルを知ることも有効です。
部屋をトイレの近くに移したり、ポータブルトイレを利用するのもよいでしょう。万一の場合に備え、鍵を外からも開けられるものに替えておくことも必要かもしれません。
浪費がひどい
浪費で寂しさや不安を満たしています。家族で話し合って、お金を管理する人を決めましょう。よく利用する店には協力してもらいましょう。
悪徳業者に騙された場合には、クーリングオフや消費者センターへの相談で解約してもらうこともできますが、早めに気づくことが大切です。できれば未然に防ぎたいものです。日頃のコミュニケーションと気配りが大切です。
本人の判断能力が低下してきた場合には、成年後見人制度の利用を考えてみる必要があるかもしれません。
時間感覚がなくなってきた?
規則正しい生活をしてもらえるように工夫しましょう。日中に体を動かしてもらったり、夜寝やすい環境を整えることを考えましょう。寝る前に入浴したり軽食を試してみるのもよいでしょう。
場合によっては入眠剤を処方してもらう必要があるかもしれません。お医者さんと相談して薬の種類や量を調整してもらいましょう。
うつ状態?
声のかけ方には注意しましょう。自信をなくすような言葉はかけないように気をつけましょう。
簡単なことでも、できることをやってもらい、さり気なくほめましょう。
励まさずに受け止めましょう。薬で改善する可能性もあるので、お医者さんに相談するのもよいでしょう。
味覚の好みが変わった
調味料をかけ過ぎたり味付けがおかしくなることがあります。際限なく食べたりすることも。食事は家族と一緒にしてもらい、見守るようにしましょう。指摘するときは穏やかに伝えましょう。
調理も家族が一緒に行うことで認知症の進行を食い止めましょう。
ティッシュペーパーを食べることがあります。漂白剤や殺虫剤を飲んでしまうこともあるので、保管には十分注意しましょう。煙草の吸殻の放置にも気をつけましょう。
認知症の対応と家族
認知症の症状に家族が振り回されないように、認知症によってどのような症状が現れるのかを理解しておくことが大切です。認知症の進行による心の変化を知っておくことも必要です。
医療や介護保険サービスをうまく利用して家族の負担を減らす必要も出てくるでしょう。
認知症について正しい知識を得ることは、本人にとっても家族にとっても、お互いに心地よく生活するために大切なことです。
まとめ
ここではまず、認知症の一般的な接し方(対応方法、対処法)をいくつか示しました。
さらに認知症の症状の一部を取り上げ、それぞれの症状に対する対応の仕方を示しました。
認知症の家族に対する接し方のポイントや認知症の症状はまだまだあります。実際に問題に直面する中で常に勉強し、理解を深めていきましょう。
スポンサーリンク
コメント