高齢者の食事の献立 食事介助の4つの注意点・留意点 栄養管理

高齢者の食事・栄養管理栄養

高齢者の食事・栄養管理

 

高齢者介護の基本はきちんと食事を摂ってもらい、きちんと排便してもらうことです。

高齢になると、食欲が衰えて低栄養になったり、咀嚼できなくなったり、誤嚥したり、食べることを忘れたり、好きなものしか食べなかったりといろいろ問題が出てきます。

そういった中でも、味・香り・食感・見た目を大切にして、おいしく楽しい食卓をめざしたいものです。

ここでは、高齢者の食事の献立、食事介助の注意点(留意点)、高齢者の栄養管理についてまとめます。

 

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高齢者の食事の献立

 

高齢者の食事は健康維持の基礎であるだけでなく、楽しみでもあるので、献立は栄養のバランスだけでなく、食材選び、盛り付けにも工夫しましょう。

基本は主食&主菜+副菜+汁

主菜を決めてから足りない栄養を副菜や汁で補います。

主食(ご飯、パン、麺類等):糖質がエネルギー源になります。

主菜(肉、魚、卵、豆腐等):タンパク質が血液・筋肉・脳細胞などの体組織になります。

副菜・汁(野菜・芋類・海藻類・果物等):ビタミン・ミネラル・食物繊維を補給して体調を整えます。

丼・麺類・スパゲティーなどは一品だけになりがちなので、デザートの果物やサラダ、牛乳などを合わせましょう。

1日をトータルで栄養を考えましょう。

好みを考慮して味付け・調理法を変える

高齢者の1日必要摂取エネルギーは1450~2500kcalですが、活動量などによって変わります。

必要な摂取エネルギーを満たしていても、いかに栄養バランスがよくても、食べなければ意味がありません。

優先すべきは食が進む食材選びや、味付けです。昔から親しんできた味は、食欲を起こし、唾液の分泌を促します。

最後まで食べてもらうためにも、焼く・煮る・蒸す・炒める・和えるなど調理法に変化をつけましょう。

家庭料理では好みに合わせて献立づくりができます。いろいろな食材を、いろいろに味付けして、いろいろな調理法を組み合わせましょう。

旬の食材で季節感を出す

外出が減ってくると、季節の移り変わりを肌で感じられにくくなるので、季節感がある献立は食欲をかきたてます。会話にもつながり、食事が楽しい時間になります。

旬の食材は栄養が豊富で価格も手頃です。日光を浴びて畑で育った野菜は、温室栽培の野菜より味も栄養価も優れています。

最近では、季節がわからないほどいつでも手に入るようになりましたが、季節ならではの食材はその季節に豊富に出回ります。

時には行事食も取り入れ、盛り付けや食器にも気を配り、いつもと違う食卓を演出しましょう。

 

食事介助の4つの注意点・留意点

 

誤嚥・誤飲を防ぐために4つのことに気をつけましょう。

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1.状態を見守って把握

誤嚥のサインを見逃さないようにしましょう。サインがあったら食事を中止します。

ちゃんと起きているか確認してから、時間をかけて食事をします。

2.正しい姿勢で食事

前のめりになったり、後ろにそっているとスムーズに飲み込めません。

①安定して、まっすぐ座る
②あごを引く
③両足を床につける

3.個々のペース、一口量で

最初は様子を見ます。一口量は多すぎても少なすぎてもいけません。スプーンの大きさなども把握します。無理に押し込んではいけません。

認知症で食べることを忘れている場合は、食べることに集中してもらえるように工夫します。

4.健康・栄養状態を把握

かめるか、つぶせるか、どんな疾患を抱えているかなどの状態を把握して、食事の形態・内容を決めます。

食べ物・飲み物の温度は、体温±15~20℃にします。

食事の前にトイレ・手洗いを済ませます。

こぼしそうならエプロンをかけますが、子供扱いしないように注意しましょう。

 

高齢者の栄養管理

 

高齢者は病気を抱えていることが多いので、悪化させずに回復するよう栄養管理する必要があります。医師や管理栄養士などのアドバイスを受けます。

高血圧

塩分・エネルギーの摂取を制限します。タンパク質・カリウム・マグネシウム・食物繊維を摂取します。

糖尿病

摂取エネルギーを制限します。三大栄養素の比率を糖質:脂質:タンパク質=50~60:20~25:12~20にします。食物繊維を摂取します。GI値が低い食品をとって血糖値が急上昇しないように注意します。

肥満症

摂取エネルギーを減らします。タンパク質・糖質・ビタミンなどの必要な栄養素は確保します。食物繊維を十分に取ります。

エネルギー欠乏症

摂取エネルギーを増やします。脂質を含む食品を多めに摂ります。

高脂血症

高中性脂肪:脂肪・エネルギー・糖質・アルコール摂取量を抑えます。
高コレステロール血症:摂取エネルギーを抑えます。飽和脂肪酸を減らして不飽和脂肪酸を増やします。コレステロールの摂取量を制限します。食物繊維を増やします。

骨粗鬆症

カルシウム・ビタミンDを摂取します。リンを多く含む加工食品を制限します。

鉄欠乏性貧血

鉄分・良質なタンパク質・ビタミンC・ビタミンB12・葉酸の摂取量を増やします。

腎不全

減塩します。タンパク質を制限し、糖質・脂質からエネルギーを摂ります。
高カリウム血症はカリウムを制限します。

低蛋白症

良質なタンパク質を摂取し、摂取エネルギーを増やします。

褥瘡

良質なタンパク質を摂取します。鉄分・亜鉛・銅・カルシウム・ビタミンA・ビタミンCなどを摂取します。

 

まとめ

 

介護食では好きな食べ物、慣れている食生活を考慮することが大切です。

おいしく楽しい食卓が、介護される高齢者だけでなく、介護者にとっても癒しになります。

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