玄米がダイエットに効果があると言われるのは、玄米が白米よりGI値が低いために血糖値がさほど急激には上がらず、脂肪がつきにくいからです。
この血糖値が急激には上がらない性質から考えれば、糖尿病の予防にも効果があることが推測されます。実際にはどうなのでしょうか。
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玄米が糖尿病になぜいいのか
今、日本で食べられているお米は、交配・選抜を経て、より病気に強く、収穫量が多く、おいしいお米に進化してきました。
そのおかげで、私達が毎日食べている白米のごはんには、適度な粘り、香り、甘みがあるおいしいお米が使われています。
ごはんはパンや麺類に比べて脂質や食塩が少なく、副食を一緒に摂ることが多いのでバランスも取れている食材だと考えられていました。
ところが近年、ごはん食が肥満や糖尿病につながるのではないかと考えられるようになってきました。
ある調査報告では、米飯が1日3杯の女性グループは、米飯摂取が最も少ないグループに比べて糖尿病の発症が1.48倍、1日4杯以上のグループでは1.65倍だったという結果が出ています。
原因として、白米は食べた後の血糖値の上昇率が高いことがあげられています。
これに対し、玄米は血糖値の上昇率が白米に比べて低いことから、主食としては玄米の方が糖尿病になりにくいと考えられます。
GI値と糖尿病 糖質・血糖値と玄米
白米は炭水化物を多く含み、そのほとんどがでんぷんです。でんぷんは糖質の一種で、アミロースとアミロペクチンに分けられます。
でんぷんがアミロペクチンだけからなる米がもち米で、普段食べるうるち米はアミロペクチンがおよそ8割、残り2割がアミロースからなります。
アミロペクチンの割合が多いと、もちもち感と弾力があっておいしく感じられます。
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ある食品を食べた後の血糖の上がり具合を示す値にGI値があります。GIはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略です。
GI値が高いということは、血糖が急上昇しやすいということです。血糖の急上昇は肥満や糖尿病につながります。
このGI値が、精白米は83、もち米は80であるのに対して、人為的にアミロペクチンの割合を低くした白米は56でした。
これに対して、玄米は55です。ちなみに、食パンは94、うどんは84です。
玄米の効果 糖尿病予防に玄米を
GI値に対して、GL値(グリセミック・ロード、血糖負荷指数)があります。GL値 = 100g中の糖質量 ✕ GI値 ÷ 100として計算されます。
GI値より正確に血糖への影響が比較できるとして、最近広く利用されています。
GI値の低いものでもたくさん食べてしまうと、GI値の高いものを少量食べたときより値が大きくなる可能性があります。
先程あげた調査では、GL値と糖尿病の発症の関係についても調べています。
女性では食事のGL値が高いほど糖尿病の危険性が高くなる傾向が見られました。
この研究で、1日のGLの合計のおよそ5~6割が白米でした。一般的な日本人では白米の米飯のGL値は93です。
この白米をすべて玄米に変えるとGL値は62になります。2/3に減らすことができます。
このように、玄米の効果として、糖尿病の予防があげられます。
同様の理由で、玄米食はダイエットにも有効だと言えるでしょう。
GI値が低い食べ物はゆっくり吸収されるので、腹持ちがよく過食を防いでくれます。
無理なダイエットをしても続きません。一時的に体重が減っても、リバウンドしてしまったら意味がありません。
白米から玄米に一度に変えなくても、白米の一部を玄米に少しずつ置き換えていけば、無理なく玄米食に切り替えることができます。
まとめ
玄米は糖尿病の予防だけでなく、抗酸化作用によりガンの予防に役立ったり、認知症の予防にも効果があると言われています。
健康的な食習慣として、まずは白米に玄米をちょっとだけ混ぜてみることから初めてみてはいかがでしょうか。
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