2020年11月10日・17日のまちかど情報室のテーマは”朝メシ前の脳活体操”でした。運動不足は脳の衰えにもつながります。そこで体にも脳にも良い体操を教えてもらいました。
教えてくれたのは脳科学を研究している公立諏訪東京理科大学教授 篠原菊紀さん。篠原さんは脳を活性化させるためのトレーニングを多数考えてきました。
朝メシ前の脳活体操① 骨を刺激
脳と体は思っているよりも強いつながりがあります。有酸素運動や筋トレは骨への刺激が脳の働きの維持・向上に役立つことがわかっています。本格的な運動が大事です。
①イスに座る
②左右の足を交互に上げる
③腕も振り、その場で駆け足をする
④最初はゆっくり、だんだんスピードを上げる
スピードを変えることが、足だけではなく、そこに動きの司令を出している脳にもより負荷がかかり、脳の活性化につながります。
上級編もあります。1・2・3と数を数えながら動かすこと。足を上げることと数を数えること、同時に2つのことをします。ダブルタスクといって脳がフル回転します。
1・2・3と数えるのは普段歩くときにも有効です。1・2だと、たとえば最初に1が右足なら、その後もずっと右足ですが、1・2・3だといずれも左右交互になります。最初はなかなか対応できません。その分トレーニングになります。
篠原教授おすすめ 脳活メニュー① 高カカオチョコレート
朝チョコ。カカオポリフェノールが多い高カカオチョコレートがおすすめです。高カカオチョコレートを食べると脳の血流が増えます。その他にも良い効果があることがわかってきました。
BDNF(脳由来神経栄養因子)という重要な物質が増えることも報告されています。BDNFは脳の栄養とも言われ、とても重要なタンパク質です。甘さ控え目な高カカオチョコレートを朝ごはんのときにひとかけらくらい食べるといいです。
さらに、味噌と合わせるとより効果が高まります。味噌には脳細胞を作るのに欠かせないレシチンが豊富に含まれています。味も高カカオチョコレートの苦味と味噌の旨味を合わせることでコクが増しておいしくなります。
おすすめはみそチョコだれ。チョコを細かくして、だしやみりんで伸ばしたみそに混ぜるだけ。これをサラダにかけたり、さばの味噌煮など魚料理に使ったり。
ひき肉と合わせて肉みそにすると、さらに味わいが広がります。少し甘みのあるたれなので、おひたしにかけたり、田楽にしたりするのもおすすめです。
朝メシ前の脳活体操② 小脳を刺激
2020年11月17日の放送で注目したのは小脳です。小脳はスムーズでなめらかな運動の実現には欠かせない器官で、運動の調整を行っているここに刺激を入れましょう。
小脳を活性化させることで朝から手足がキビキビと動くようになります。そこでおすすめなのが、小脳を刺激する手軽な体操です。
①左右に手を広げる
②片足で立つ
③1~5まで数える
④目をつぶって片足立ち
目をつぶると難しくなります。よろけやすいので注意しましょう。この「おっとっと」と言うたびに小脳がバランスを取ろうとして活性化します。
目をつぶるとぐっと難しくなるので、足腰に自身がない人は壁に手をつきながら試してください。転びやすいので無理はしないでください。
目を開けた状態だと、周囲から垂直や平行といった情報を読み取れるのでバランスを取りやすいですが、目をつぶるとその情報がなくなるので、一気にバランスが取りづらくなります。
すると小脳に負荷がかかり働きが活発になります。両手に空の紙コップを乗せるとより難しくなり、効果的な脳活体操になります。
体操したあとは、さらに脳を活性化させる朝ごはん。
篠原教授おすすめ 脳活メニュー② 発芽玄米
今回のおすすめは発芽玄米です。発芽玄米は栄養価の高い玄米を少し発芽させたものです。食べやすく、ビタミン・ミネラル・食物繊維も多いです。発芽玄米の炊き込みごはんなど、給食で取り入れる学校も増えています。
発芽玄米は、体だけでなく脳にもとても良いということが最近わかりました。発芽玄米に多く、ときに注目したいのがGABAという成分です。脳内の血流を活発にして酸素供給量を増やしたり、脳細胞の代謝機能を高める働きをします。
この発芽玄米をよりおいしくする技があります。
技① 白米と半分ずつ混ぜて炊く
玄米だけを食べるよりもモチモチとした食感になります。
技② だんごのように小さいおにぎりに
いろいろな食べ方ができて、汁ものと合わせるのがおすすめです。例えば温かいだし汁や味噌汁をかけて雑炊風に。スープに入れてリゾット風にしてもおいしくなります。
前の日に残った鍋に入れれば、きりたんぽ風に。体が温まる上に、脳の働きも活発になります。
朝メシ前の片足立ちと発芽玄米、ぜひお試しください。
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