玄米は、白米と比べてビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含むため、健康食品とされています。
玄米に含まれる栄養成分を白米と比較し、玄米の栄養的な効果・効能をまとめました。
なお、玄米とは、精白されていない状態の米のことで、精白とは、玄米から糠を取り除いて白米にすることです。
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玄米の栄養成分 ガンマオリザノールも
玄米の成分を日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋し、精白米に対する比を表にしました。
玄米の値は100gあたりの各栄養素の含有量(g)です。
玄米/精白米の値は精白米に対する玄米の比です。
玄米 | 玄米/精白米 | |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 353 | 0.99 |
たんぱく質 | 6.8 | 1.11 |
脂 質 | 2.7 | 3 |
炭水化物 | 74.3 | 0.96 |
食物繊維総量 | 3.0 | 6 |
ナトリウム | 1 | 1 |
カリウム | 230 | 2.58 |
カルシウム | 9 | 1.80 |
マグネシウム | 110 | 4.78 |
リン | 290 | 3.05 |
鉄 | 2.1 | 2.63 |
亜鉛 | 1.8 | 1.29 |
銅 | 0.27 | 1.23 |
マンガン | 2.06 | 2.54 |
α-トコフェロール | 1.2 | 12 |
ビタミンB1 | 0.41 | 5.13 |
ビタミンB2 | 0.04 | 2 |
ナイアシン | 6.3 | 5.25 |
ビタミンB6 | 0.45 | 3.75 |
葉酸 | 27 | 2.25 |
パントテン酸 | 1.37 | 2.08 |
ビオチン | 6.0 | 4.29 |
なお、玄米特有の栄養素として、ガンマオリザノールがあります。
ガンマオリザノールには、コレステロール低下作用や、抗ガン作用、抗酸化作用、脳機能改善作用などの効果があります。
ガンマオリザノールの摂取で、脂っこい食事を好まなくなるという報告もあります。
玄米の栄養 白米との比較から
主食を白米で摂った場合と、玄米で摂った場合の栄養素の摂取量の違いを30~49歳の日本人で調べ、日本人の食事摂取基準(2015年版)をもとに比較した結果を以下に示します。
通常の白米の摂取で不足している栄養素は男女ともにビタミンB1、ビタミンB6、マグネシウム、食物繊維です。女性は鉄も不足しています。
玄米では男女ともに食物繊維が不足し、女性は鉄も不足しています。
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玄米食にすると、ビタミンB1、ビタミンB6、マグネシウムは基準を超えるということです。
ビタミンB1、ビタミンB6
ビタミンB1、ビタミンB6は、エネルギーやタンパク質の代謝に大切な栄養素で、特に活動量が多い人は必要量が多くなります。
不足すると、疲れが取れなかったり、イライラしたり、肌荒れしたり、体調が優れなくなったりする可能性があります。
米はタンパク源でもあるので、ビタミンB1、ビタミンB6も一緒に摂れるというのは効果的です。
マグネシウム
マグネシウムはカルシウムのように骨に貯蔵され、体内の50~60%のマグネシウムが骨に存在します。
マグネシウムは300種類の酵素反応に関わり、タンパク質の合成、神経伝達の制御、心機能の維持、神経伝達、筋収縮、血圧調節などに必要な栄養素です。
長期に不足すると骨粗鬆症、心疾患、神経・精神疾患などの危険性があることが報告されています。
玄米による栄養的な効果・効能
玄米食による栄養的な効果・効能を上げておきます。
調味料の使用回数が減る
3日間の食事の記録で玄米のほうが多かった人と白米の方が多かった人では、玄米食の方が調味料の使用回数が少ないという結果が出ています。
玄米食では、副食の味付けがシンプルだったり、副食の種類が少なかったりして、塩分や糖分が抑えられやすいといえるかもしれません。
また玄米食の方が菓子類を食べる回数が少ないことから、玄米は腹持ちがいいので、さほど間食をする必要がないことが推測されます。
よく噛んで肥満防止
玄米食の方がよく噛む傾向があります。よく噛むことは、肥満の防止につながります。
噛むと唾液の分泌が促されます。唾液の中にはアミラーゼという、デンプンをブドウ糖に分解する消化酵素が含まれています。このアミラーゼにより血液中のブドウ糖(血糖)が増えます。
よく噛んで食べると、血糖値が上がるので満腹中枢が刺激され、満腹感が得られて、食べ過ぎが避けられます。
アンチエイジング
玄米を食べてよく噛むようになると、過食が抑えられ、摂取カロリーの減少につながります。
カロリー制限すると心疾患や糖尿病になりにくく、代謝やホルモン作用が変化して、見た目が若々しくなります。
健康、長寿、アンチエイジングの効果が期待されます。
まとめ
現在は玄米が容易にふっくら炊けるようになり、栄養が豊富で味もあるため、好んで食べられるようになってきました。
外食店でも玄米が選べるようになってきています。玄米がおいしく炊ける炊飯器も販売されています。
ときどきでも玄米を食べるようにすれば、習慣化するのは時間の問題かもしれません。
とりあえず始めてみてはいかがでしょう。
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