2020年12月15日と2021年1月5日のまちかど情報室のテーマは”育てて食べる再生栽培”でした。野菜を使って料理するときに捨ててしまいがちな種や根からまた野菜を育てる方法を教えてくれたのは家庭菜園・料理研究家 大橋明子さん。大橋さんは普段は食べずに捨ててしまう種や根から野菜を育てる方法を動画や書籍で紹介しています。
育てて食べる再生栽培
大橋さんは、再生栽培は捨てるはずの部分からの栽培なので「失敗してもいい」みたいな気持ちで、気楽な実験気分で楽しんでもらえたらいいと言います。
手軽にできる水栽培
再生栽培の入門におすすめなのが水栽培です。水と容器だけあればいいので、いつでも始められるのが利点です。水栽培に向いているのはレタスのような葉物です。使うのは、食べずに捨ててしまいがちな芯の部分です。
長さ10cmほどのコップや器に根本が浸るくらいの水を注いで、そこに芯を入れます。1日2回程度水を変えれば、10日ほどで葉が育って、また食べられるようになります。
気温が低い今の時期は、水の中の雑菌が繁殖しにくいので、レタスと同じ方法で白菜やセロリなども育てられます。収穫できるのはそれぞれ1回ずつです。
もっとたくさん長い間収穫を楽しみたい場合は、土で育てるのがいいでしょう。
土で育てて たくさん収穫
初心者におすすめなのが小松菜。小松菜は秋冬野菜のイメージがありますが、夏の暑さにも強いし、わりと育てやすく、失敗がないようです。
まず根がついたものを選びます。ポイントは根と一緒に小さい葉を残しておくことです。育ちが良くなります。
深さ15cmほどの植木鉢を用意して、十分に土を湿らせてから間隔を開けて植えると、10日ほどで葉が生長します。
一度取った後もまた育つので繰り返し収穫できます。春になると花が咲いて、花もおいしく味わえます。
種からの再生栽培
普段は捨ててしまう種からも再生栽培できます。おすすめはパプリカです。十分熟していない緑のピーマンと違って、パプリカは成熟しているので、比較的発芽しやすいです。
栽培に適しているのは春から夏にかけてですが、コツはたくさん種をまくことです。芽が出たら元気のないものは間引いていって、2ヶ月ほどしたら、一番良く育っている1本だけ選んで大きなプランターに植え替えます。さらに2ヶ月経てば、大きく育って食べごろを迎えます。
野菜が確実に大きくなっている姿を見ると、エネルギーをもらえるような感じがあります。これも魅力です。
シャキシャキ感を活かす
薬味のように、ちょっとした何かのトッピングに使うとか”小さな収穫”と言っています。量は少ないですが、新鮮な再生栽培ならではの収穫を味わう技です。
レタスのシンプルなチャーハン
具材は卵としらすだけです。火が通ったらレタスを収穫してちぎって入れます。軽く炒めて、しょうゆを回したら完成です。
レタスの食感が良く、食が進みます。シャキッという野菜感が加わるだけで、特別なものは何も入っていなくてもおいしいです。
小松菜の変わりシューマイ
再生栽培におすすめな小松菜。厚さ寒さに強く、小さい葉を残した根に植えると葉が大きく育ちます。その葉をまるごと味わう技が蒸し料理にすること。シューマイ風がおすすめです。
材料
小松菜の葉:10枚程度
豚ひき肉:200g
ねぎ:50g
しょうが:15g
しょうゆ:大さじ1
ごま油:大さじ1/2
塩:少々
作り方
茎の部分を細かく刻み、刻んだものを豚のひき肉とねぎ、しょうがなどとよくこねます。これで肉種ができます。それを小松菜の葉でくるみます。小松菜をシューマイの皮として使います。10分ほど蒸せば出来上がり。
蒸すことで小松菜の甘みが増す上に、新鮮な歯ごたえも程よく残ります。小松菜の存在感を活かせるようなレシピにしたいと思いました。スチームしたとき、濃い緑の小松菜の色もはっきり見えていいです。
ふだん食べない部分も楽しむ
例えばセロリの葉。茎を見ずに入れておくと葉が大きく育ちます。ふだんメインで食べている茎より葉のほうがビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています。
セロリの葉のべったら漬けあえ
セロリは葉を収穫してみじん切りにします。独特の苦味をおいしく味わうために合わせるのが、甘みのあるべったら漬。大根を米麹と砂糖などで漬けたもの。
市販のべったら漬を千切りにして、セロリの葉と白ごまを和えるだけです。苦味と甘味がマッチするので新鮮なセロリの香りも楽しめます。
香りの強いセロリの葉は、餃子の具にしたり味噌汁にしたり、色々なアレンジができて、美味しく味わうことができます。
食生活の中でいろいろな野菜のバリエーションが楽しめます。これも再生栽培の魅力ではないかと思います。
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