2021年1月4日のまちかど情報室のテーマは”衣類のお直し 手軽に楽しく”でした。生地に穴が空いたりする前に繕って、丈夫にして長持ちさせて、かわいくなったり味が出たりする技を教えてくれたのは、様々な生地のデザインや素材の選定を手掛けるテキスタイルデザイナー 野口光さんです。野口光さんは衣類を繕うダーニングという欧米の伝統的な技法を教室などで教えています。縫った後を隠すのではなく、模様として活かすのが特徴です。
ダーニング
ダーニングは家庭科で習ったくらいの簡単な技術で、あえて見えるような色や素材の糸を使ったり、それをデザインの一部にするようなテクニックです。特に靴下やズボンはすり減ってしまうことがあります。それを早めに補強するのがポイントです。
ゴマシオダーニング
ゴマシオダーニングはごま塩をまぶしたような点々になるのが特徴です。ワイシャツのポケットもゴマシオダーニングで雰囲気が変わります。
使うのはダーニングマッシュルームという裁縫道具。ここに靴下のかかとなど生地の傷んだ部分をかぶせてヘアゴムなどで固定します。すると、生地が張った状態で安定します。お玉やボールなどで代用することができます。
①補修したい部分の外側から内側にへ1cmくらい生地をすくう
②糸が出てきた1mmくらい外側に針を刺し内側へすくう
すると、ゴマ粒のようになります。これを繰り返していき、傷んでいる部分を横切るようにしていきます。
③180°回転させ同じように内側に向かって縫っていく
これを繰り返していくとごま塩模様になります。
裏側が糸で生地が覆われているので、しっかりと補強ができています。
④裏側の縫い目の5つくらいにくぐらせる
ごまの点々をきれいにそろえる必要は全くありません。バラバラのほうがかわいらしい表情が出ると思います。
袖の縁の痛みを繕うブランケットステッチ
擦り切れた端に有効なテクニックはブランケットステッチです。ぬいぐるみを作ったりするときに縁を縫い整える技法です。これも手軽にできます。
縁の少し手前から針を刺し、その針の下に糸をくぐらせてから針を引きます。これを繰り返していくだけです。傷んだ部分を縫い進めていくと、長く着られるようになります。
繕いながらまた痛み、また繕いと、思いがけないデザインが生まれていきます。それが自分の手でできたということは、とても楽しくて幸せになることだと思うといいます。
ダーニングに使う糸の素材などは合わせる必要はありません。色味も自分好みにしていって、楽しみの一つになると思います。
2021年1月18日のまちかど情報室のテーマは”衣類のお直し すてきに楽しく”でした。穴が空いたり、しみがついたりした部分をかわいく生まれ変わらせる技をテキスタイルデザイナー 野口光さんが教えてくれました。
ちょっとした穴や染みも自分の手で繕うことによって思いがけないデザインが生まれていきます。
衣類の穴を繕うバスケットダーニング
糸の色を変えるだけでも、とてもおもしろい表情がでてきます。
縦と横に織ることで、バスケット(かご)のような模様になります。
使うのは木でできたダーニングマッシュルーム。穴の空いた部分をかぶせてヘアゴムなどで固定します。まず縦糸を通していきます。
①穴から5mmの所に糸を入れ、1mmすくう
②穴の反対側で1mmすくう
③間隔を糸1本分あけて繰り返す
④180°回し、角のそばを1mmすくう
⑤横糸を縦糸の下と上、交互に通す
⑥180°回し、1列目と互い違いになるよう通す
途中で好みで糸の色を変えてもいいです。
隙間をふさぐように横糸を通していくと、しっかり補修ができます。
落とせない染みを繕う
染みの形というのは、偶然にできる不思議な形になります。その形をあえて生かして刺していくと魅力的な表情になります。
①染みの端から5mm外側に針を通す
②針の下に糸をくぐらせて引く
③1周目の糸の外側から内側へ同じように
外から中に向かってぐるぐる染みを埋めていくので、どんな形でもうまくおさまってしまいます。少しでも長く愛着のある服を着続けるきっかけになるといいと思います。
ダーニングは網目が行き渡っていてしっかりしているので、靴下のかかともおしゃれに頑丈に補修できて効果的です。
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