2021年6月29日のまちかど情報室のテーマは”上手な換気で 気分よく”でした。
家庭で気分よく過ごしたり、感染予防という観点でも換気が大事ですが、ただなんとなく窓を開けるだけではだめな換気の技を教えてくれたのは、空調機メーカー勤務で効率的な換気の方法にも詳しい重政周之さんです。
効率的な換気
部屋の中の空気が汚れている場合、部屋の中の空気を効率的に外に送り出さないといけません。
窓開け換気を30分に5分くらい繰り返すのが、理想的な換気の方法です。
5分程度窓を開けるといいのですが、効率的に空気を入れ替える技があります。空気の通り道を作ることがポイントになります。
空気の通り道が大事です。例えば、単に窓をひとつだけ開けても空気はなかなか入れ替わりません。
といって、近くの窓を開けたとしても、狭い範囲でしか空気が移動しないので、換気の効果は本当に小さいです。
対角線上の2か所の窓を開けるのが、より効果的な窓開け換気のやり方です。
遠い窓の方が、部屋の中全体の空気を外に出すという効果があります。
理想は最も距離が離れている対角線上にある窓を開けるのがいいです。
片方の窓から入ってきた空気が部屋中に広がって、もう一方の窓からは、それまであった空気が出ていくため、部屋全体の空気が入れ替わります。
でも、窓を開けても、風が弱くて空気が流れてないなと感じられる時があります。
そこで達人の技。空気の入り口は狭く、出口は広く。こういう開け方をすると、空気が勢いよく入ってきます。
風が入る側の窓をあえて小さく開けることで、風が狭いところから中に入ろうとするため勢いが良くなります。
ただ、対角線に窓がない部屋もあります。
窓が並んでいる時は、キッチンのレンジフード(換気扇)を活用します。
家の換気扇の中でも、最も勢いよく空気を吸い込んで外に出すと言われています。これを強にします。
すると、窓から入ってきた空気はレンジフードの方に向かうので、空気の通り道ができます。
寝室や子供部屋など、窓がひとつしかひとつだけ、換気扇もないという場合もあります。
窓の外に向けて扇風機を回します。
後ろの空気を前に流すので、窓の外に向かう流れができます。
扇風機ではなくサーキュレーターを使っても同じ効果があります。
この時大事なのは、部屋のドア(出入り口)を開けて、空気の通り道を作ることです。
ドアから入って窓から出ていく空気の通り道が作れます。
部屋単位で換気を完結させなければいけないわけではありません。
部屋の窓を開けました、ドアはしっかり開けています、空気がちゃんと流れています、という状態であれば、換気は成立しています。
是非実践しましょう。
平成15年以降に建てられた家には、全て24時間換気のシステムが設置されています。
意外と使っていない人も多いようです。常に作動させておきましょう。
押すとポコっと出てくる換気口をずっと開けておくことも大事です。
2021年7月6日のまちかど情報室のテーマは”賢くできる 夏の換気法”でした。
エアコンを使い始めている人が多いと思いますが、エアコンを使って上手に、しかも節電しながら、 換気する方法を教えてくれたのは、今回も、空調機器メーカー勤務で、効率的な換気の方法に詳しい重政周之さんです。
夏の換気 エアコンで上手に節電しながら
エアコンをつけているだけで換気ができていると思っている方はいませんか?一般的なエアコンは換気ができる機械ではありません。
部屋の中の空気を吸い込んで、室内機の中で空気を冷やして、 冷えた空気をまた吹き出し口から部屋に戻すという動きをしています。
そのため30分につき5分程度換気するのが理想的です。
では窓を開けて換気というとき、まずはエアコンは消していませんか?
エアコンはつけっぱなしにしておいた方が いいです。
理由1:熱中症対策
窓を開けると外の熱い空気が入ってきますが、その時にエアコンを止めていると、部屋の温度が急激に上がり、熱中症のリスクが高まります。
理由2:エアコンはつけぱなしの方が比較的消費電力がかかりづらい
エアコンの特性で、スイッチのオン・オフを繰り返すと、どうしてもその分消費電力が高まってしまいます。
エアコンを止めている時間が30分以上になる場合は、電源をオフにした方がいいですが、換気の間5分ほどだけ止めるのは、かえって電気代がかかります。
エアコンをつけたまま換気する際、窓の開け方にもコツがあります。
エアコンから離れた窓を開けた方がいいです。
開けた窓から温かい空気が部屋の中に入ってきて、エアコンがそのまま直接吸ってしまうと、熱い空気を冷たくしなければいけないので、その分エアコンに負荷がかかってしまいます。
エアコンの近くの窓を開けると、熱い空気を直に吸い込んでしまいます。これを防ぐためには、できるだけ離れた窓を開けます。
これでエアコンに向かう空気の通り道ができて換気ができるし、エアコン周りの温度が急に上がることもないので、省エネにもつながります。
エアコンの近くにしか窓がない時は、でるだけ離れた窓を開けましょう。
エアコンから遠いところの窓を開けると、もちろん窓の外から熱い空気が入ってきますが、元々あった部屋の空気の涼しい空気と混ざってから室内機が吸い込むので、その分エアコンの負荷がやわらぎます。
その負荷が和らいだ分だけ、電気代も抑えられます。
窓を開けて換気する、しかもエアコンにはなるべく熱い空気を吸わせない、これがポイントです。
また、戸締まりをした家に帰ってきた時、部屋が暑くなっています。
この場合、いきなりエアコンをつけるのではなくて、まず窓を開けて換気して温度を下げてから、スイッチをオンにしてください。
換気と同時にエアコンを上手に使って、この夏をできるだけ快適に乗り越えていただきたい思います。
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