2021年4月26日のまちかど情報室のテーマは”コーヒーひと手間でおいしく”でした。おいしいコーヒーのいれ方を教えてくれたのはバリスタ 井崎英典さん。
井崎さんは、バリスタの技術を競う世界大会 ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(2014年)で優勝した実績を持ち、イベントなどでおいしいコーヒーのいれ方を伝えています。
ひと手間でおいしいコーヒーに
最高の一杯に出会うために最も重要なのは、まずコーヒー豆の成分を100%引き出すこと。
粉全体から成分を引き出してあげることで、コーヒー本来の味わいを楽しむことができます。
100%引き出すために使うのがドリッパー。
コーヒーの粉の重さを測る
はかりが大切です。はかりを使って粉の量をちゃんと計るというのが、おいしいコーヒーをいれる第一歩です。
計量スプーンで入れる人が多いと思いますが、同じカップでも、豆の挽き方の違いで重さが変わります。
実際に同じスプーンで測ったところ、2g違いました。ですから、はかりが大切です。量より重さです。
マグカップ一杯分 お湯300mlの場合は、コーヒーの粉を18 g使います。
目安としてはお湯100mlに対して、粉6gです。
コーヒーの粉全体をお湯に浸して成分を抽出
お湯は3回に分けて入れます。1回目のお湯は蒸らしです。
1回目はお湯の1/5ほど入れて、粉全体を浸します。
粉の成分を引き出す達人のワザは…
ゆっくりとお湯を全体にかけて、かけ終わったら、3回ほどしっかりとドリッパーを回してあげることです。
このひと手間 回すことで、粉全体にお湯を行き渡らせるのがポイントです。
そして1分ほどしっかり蒸らすことで、この後、コーヒーの成分が出やすくなります。
2回目も1回目と同じ量のお湯を入れます。
ここで大切なのが…
壁にしっかりとお湯をかけて、粉全体にお湯を行き渡らせます。
側面の粉をお湯にしっかり浸して、すべての粉から成分を抽出するようにします。
最後、お湯がサーバーに落ちた後、3回目は、残りのお湯全てを注ぎます。
そして注ぎ終えたらもう一度。
最後の最後までお湯と粉が触れ合いながらドリッパーを通過していくようにするために、また3回ほどしっかりとドリッパーを回します。
このひと手間です。フィルターの側面に粉がへばりつくことがなくなります。平らになります
そうすると、粉全体から均一に抽出された証です。
最後の一滴まで落ちるのを待ちます。
これで成分が100%引き出されて、コーヒー本来の味わいを楽しむことができます。
井崎さんは、コーヒーブレイクというのは、コーヒーを入いれる瞬間から飲む瞬間までを楽しめる、すごく平和な時間だと思っていると言います。
自分が本当に心からおいしいな、ほっとするなと思うコーヒーに是非出会って いただいて、心からリラックスできる時間を過ごしてほしいです。
濃いのが好きだという方は、お湯100mlに対して粉 8g。
2%の差ですが、これを100%出し切ると、味が濃くなっておいしくなります。
手軽においしいコーヒーをいれるには
2021年5月10日のまちかど情報室のテーマは”コーヒー 手軽においしく”でした。
家やオフィスなど場所を選ばず、美味しいコーヒーを楽しむ方法を教えてくれたのは、今回もバリスタの井崎英典さん。
ハンディードリップ
今、手軽に楽しめると広がっているのが、ハンディードリップ。家はもちろん、オフィスや宿泊先などでも使えます。ホテルであると嬉しいです。
簡単にいれられるいれ方として認知されつつありますが、ちょっと一手間を加えるだけで、そのコーヒーが本格的になります。
気を付けなければならないのが、やりがちだとは思いますが、お湯を注いでいくうちに、粉がコーヒーの液体に浸かってしまうことです。
粉の成分はお湯に浸すと抽出されますが、コーヒーの液体の中には出てきにくいです。
コーヒー液の中は成分で飽和状態なので、粉の成分が抜けていきません。
なので、結果としてぼんやりとした味のコーヒーになってしまいます。
そのために、高さのあるカップを使うことが大切です。
お湯を適量注いでも、カップの半分もたまらないくらいの高さのあるカップがいいです。
重要なのが、最初にお湯を注いだあとに蒸らすことです。
初めはお湯を少しずつ、粉全体が浸る程度の量を注ぎます。
そしてここからが達人の技。1分しっかりと蒸らすことが重要です。
粉にお湯が行き渡るのは想像以上に時間がかかるので、1分くらい待つことでコーヒーの濃厚さが変わってきます。
自分で豆を挽いてドリッパーで丁寧にいれる時と同じく、1分しっかり蒸らします。
その分、コーヒーが冷めないように、事前にカップをお湯で温めておくと良いです。
その後、残りのお湯を数回に分けて注ぎます。
すると、粉の成分がしっかりと抽出されて、おいしいコーヒーの出来上がりです。
コーヒーバッグ
さらに自分の好きなコーヒー豆の味わいを手軽に楽しむ方法があります。
それが コーヒーバッグといわれるTバッグのコーヒーバージョンです。このコーヒーバッグがおすすめです。
雑貨店などで売っているTバッグ用の袋に、コーヒーの粉を入れたものです。
好きな種類の豆を細かく挽いて入れます。
大切なのは分量で、一袋に粉は6gから8gにします。これだと、お湯100mlで丁度良い味わいになります。
これをTバッグと同じくお湯に浸します。
コーヒーの液体の中に粉を浸すと成分が出にくいですが、お湯に浸せばしっかりと抽出されるので、4分ほど経つと飲み頃になります。
お湯と粉の比率さえ守っておけば、後は放置してつけ置きしておくだけなので、とても簡単な入れ方です。
時間のある時にいくつかこのバッグを作っておけば、忙しい朝でも、水筒にお湯とバッグを入れるだけで、自分好みのコーヒーができます。
コーヒーバッグはドリップのように難しい技術がいりません。
マイボトルに入れて自分だけの美味しいコーヒーを飲むことができます。積極的に活用してほしいと思います。
コーヒーバッグ一袋につきお湯100mlが丁度良いので、水筒に多めに作りたい時は、お湯の量に応じて袋の数を増やしていくと良いです。
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