台風という言葉は、台風シーズンになる度に、天気予報などで何度も耳にしていると思いますが、台風とは何なのかを子供に教えたり、台風の定義や仕組みを説明したりするのは、意外と難しいかもしれません。
学校で習ったことの復習にもなりますし、常識として説明できるようにしておくと、意外なところで役に立つかもしれません。
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台風の定義は?台風の強さ・大きさは?
台風の定義
台風は以下の2つをともに満たすものです。
1.北西太平洋、南シナ海にある熱帯低気圧
2.低気圧域内の最大風速が17.2m/s*以上
*10分間の平均 34ノット、風力8
熱帯低気圧:熱帯の海上で発生する低気圧
北西太平洋:太平洋の赤道より北、東経180度より西
By Edgar Bonet – 投稿者自身による作品, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=44223378
南シナ海:香港、中国、台湾、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、ベトナム、インドネシアに囲まれた海域
低気圧:周囲より気圧の低い空気の渦
なお、気圧の値で台風であるかどうかが決まるわけではありません。
ちなみに
サイクロンは北インド洋、南太平洋の熱帯低気圧です。
ハリケーンは北東太平洋、北大西洋の最大風速32.7m/s以上の熱帯低気圧です。
台風の大きさ・強さ
台風の大きさは、風速15km/s以上の風が吹いている範囲の半径で分けられます。
半径が500km以上800km未満で大型の台風、800km以上なら超大型の台風と呼ばれます。
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台風の強さは、最大風速によって分けられます。
最大風速が33m/s以上44m/s未満で強い台風、44m/s以上54m/s未満で非常に強い台風、54m/s以上で猛烈な台風と呼ばれます。
台風の原因と仕組み
熱帯の海上は海水の温度が高く、多量の水蒸気が発生します。
上空に冷たい空気があると、暖かい空気は上昇、冷たい空気は下降しようとして対流が起こりやすく、大気が不安定な状態になります。
この不安定な大気がぶつかり合うと上昇気流が生じます。空気が上昇すると気圧が下がって気温も下がります。
気温が下がると多量の水蒸気を含んだ空気が上空で凝結し、積乱雲が発生します。雲のかたまりができることもあります。
雲のかたまりができると、凝結熱で上空が暖まって軽くなり、ますます上昇し、気圧が下がって熱帯低気圧になります。
熱帯低気圧が発達し、風速が17.2m/s以上になったものが台風です。
凝結熱:水蒸気(気体)が水(液体)になるときに出る熱
台風の目の意味
台風は空気の渦巻きです。渦の中心では遠心力が働き、雲が中心から外に吹き飛ばされます。周辺部では雲の壁ができて上昇気流が起きています。
台風の勢力が強いほど、台風の目は小さく明瞭です。
台風の目の直径は20kmから200kmで、高さはおよそ12kmから18kmになります。
台風の目の中は下降気流で雲がないため、経験があるかもしれませんが、雨がほとんど降らず、風も穏やかです。
一方、台風の目という言葉は、デジタル大辞典における2つ目の意味のように
と、比喩的にも用いられます。
まとめ
台風は、北西太平洋、南シナ海にある熱帯低気圧で、低気圧域内の最大風速が17.2m/s*以上のものです。
台風の大きさは風速15km/s以上の風が吹いている範囲の半径によって、台風の強さは最大風速によって分けられます。
台風は、海上の湿った空気が上昇し、凝結熱をエネルギーにして熱帯低気圧から発達してできます。
台風の渦の中心は雲がなく天候は穏やかで台風の目と呼ばれます。激動する物事の中心人物などのことも台風の目といいます。
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