2021年12月13日のまちかど情報室のテーマは”素材のうまみでかんたんスープ”でした。
食材の味をうまく活かしたスープ作りの技を教えてくれたのは料理研究家 有賀薫さん。
有賀さんは、素材の美味しさを引き出すようなスープの作り方を、イベントや書籍などで伝えています。
「スープを難しいものと考えないで本当に気軽に家にあるものでまずスタートするという風に楽しんでもらえたらいいなと思います。 」
まず試してほしいのは野菜そのものの味を生かしたシンプルなスープ。
「野菜だけでこんなにダシが取れるのときっとビックリするんじゃないかと思います。 」
野菜だけですが、その時に大切なのが、うまみ野菜を選ぶこと。
野菜の中にはグルタミン酸などのうまみ成分を多く含むものがあります。
例えばトマトや人参、ブロッコリー、玉ねぎ、さつまいも、キャベツなど。
こうした野菜を2~3種類組み合わせると、十分味が出ます。
キャベツ ブロッコリー 玉ねぎのスープ
そこで今回はキャベツ、ブロッコリー、玉ねぎを使います。 冷蔵庫にもたくさんあると思います。
材料(2~3人分)
キャベツ 150 g
ブロッコリー 120 g
玉ねぎ 1/4個
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1
酢 小さじ1/2
スープを作るとき、野菜から上手にだしをとるポイントが、水を入れる前に炒めることです。
野菜がじんわり汗をかくように炒めることで、うまみ成分を効率よく抽出できます。
「煮込み料理というふうに考えずに、炒める料理というふうに考えると成功しやすいと思います。」
このひと手間が大事です。
野菜に8割ほど火が通ったら、ここでようやく水を入れます。
3分煮込んでお酢を入れたら、これでもう完成です。
野菜それぞれの美味しさをしっかりと味わえるスープです。
「うまみの強い野菜を組み合わせることによって、相乗効果みたいなものが生まれますし、十分に美味しいと感じられるスープができます。」
有賀さんは冷蔵庫にある様々なものがスープの美味しさの元になるといいます。
中でもちょっと珍しいものがおすすめ。 麦茶です。
「麦茶で鶏を煮た時にすごくすっきりした味になるなと思って、これはスープのだしに使えるなと思って。」
レンジで簡単 鶏のうまみスープ
材料(2人分)
鶏もも肉 1/2枚
麦茶 300ml
水 200ml
塩 小さじ1
青ネギ 1/4束
大葉 5枚
みょうが 3個
うまみ成分が豊富な鶏肉を耐熱容器に入れます。
麦茶はストレートで使うとやや苦い場合があるので、その時は水で薄めるといいです。
そして塩を入れたら、これを電子レンジで 加熱します。600 W の場合7分。ほぼこれだけ。
最後にここに薬味を乗せれば出来上がりです。
麦茶がほのかに香り、鶏肉に臭みが程よく抑えられたスープです。
「鶏肉のうまみは十分でますが、それを麦茶が下支えをしてくれているイメージ。 」
「家にある食材でスープを作ってもらって、それが生活の助けになるものではないかと考えています。」
2021年12月20日のまちかど情報室のテーマは”一皿で満足!スープごはん”でした。
ごはんと相性ピッタリのスープの作り方を教えてくれたのは、今回も料理研究家 有賀薫さん。
特に忙しい時におすすめなのが、作るのも簡単で、一皿でぱっと食べられて、洗い物も少ないスープごはん。
「皆さんのライフスタイルがすごく変わってきたと思います。 日々に寄り添う食事として、このごはんにスープをかけるというやり方を提案しました。」
中でも有賀さんのおすすめが、フライパン1つでできる…
トマたまスープごはん
具には、グルタミン酸といううまみ成分を多く含むトマトとネギと卵などを使います。
材料(2人分)
トマト 大1個
ネギ 1/2本
卵 2個
ごま油 小さじ2
塩 小さじ2/3
水 450ml
片栗粉 小さじ2
具材は小さめにカットするのがポイントです。
スプーンで食べるときに乗せやすくなるという利点があります。
切った野菜をうまみ成分がスープによく出るように、まずは炒めます。
トマトが崩れるまで炒めたら、水を入れます。
ここで美味しいスープごはんを作るポイントがあります。
とろみでごはんに絡みやすくします。
とろみとして片栗粉を使います。
あまり量が多いとスープ感が損なわれてしまうので、1人前あたり小さじ1杯ぐらいが目安です。
最後に溶き卵を少しずつ加えて火を止めて、スープをごはんにかけて完成です。
とろみに加えて、野菜のうまみもうしっかり出ているので、ごはんと合います。
「トマトの酸味を卵がふわっと包んで、ごはんと一緒になって、口に入れるととても幸せな味になります。 」
ごはんに合うスープを作るためのもう1つのポイントがあります。
しょうゆでごはんに寄せることです。
「洋風なスープでも、しょうゆを入れることで、ごはんに合う味付けに少し寄せてあげる。 」
例えば…
ピーマンとランチョンミートのスープごはん
洋風な組み合わせなので、しょうゆを加えて、ごはんに合うスープに仕上げます。
材料(2人分)
ピーマン 2個
ポークランチョンミート 120g
オリーブオイル 小さじ2
水 400ml
しょうゆ 大さじ1
コショウ 少々
作り方は簡単です。 ランチョンミート表面をこんがり焼いて、ごはんに乗せるだけです。 これでもおいしいです。
しみ出た肉の汁が残ったフライパンに水を入れて、沸騰したら、ピーマンとしょうゆを加えます。
ピーマンのシャキシャキした食感を残すため、煮るのは1~2分です。サッと煮てください。
最後にコショウを振って、とろみをつけて、ごはんにかけたら、これで出来上がりです。
「こってりしたランチョンミートのうまみと、さわやかなピーマンの香りと苦み、そしてなじみのあるしょうゆの味。ごはんがどんどん進みます。最初から全部かけてしまうのもありですし、スープを追加していく方法もあります。1人1人で好きなように食べられるのが、スープごはんのいいところだと思います。」
スープごはんにカレーライスの福神漬のような感覚で、ザーサイなど漬物などを添えると、さらに美味しく食べられます。
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